説きふせられて

ふとしたことから、18世紀英国女流作家ジェーン・オースティンが書いた6編の長編小説の読破をめざすことになった。
ずっと前に、彼女の最初の長編「自負と偏見」は読んだことはある。
今回読んだのは「説き伏せられて」。ジェーン・オースティン晩年の作品。

  • 説き伏せられて*1

愛し合い、お互いを最高のパートナーと認めながらも、周囲の反対に押し切られる形でいったんは別れた男女。数年後ふたたび邂逅し、紆余曲折を経ながら恋愛を成就させる。
偏見、誤解や虚栄に悩み、ときにそれと戦いつつ、固定概念にしばられず、新しい価値観で自らとひとを見つめ生きようとするヒロインの姿。

話の展開パターンがどことなしに「自負と偏見」に似ている。
ヒロインのアンの視点から描かれ、元の恋人と紆余曲折ののち再びよりを戻し、結局ハッピーエンド。
恋愛の成就を到達地点に持ってきている。
俗っぽく、わかりやすい筋だった。
「分別」を持つということを小説の核に持ってきているのも、おもしろい。
また、当時の貴族の生活を女同士の会話中心に描いている点も、興味深かった。