銀座ネットワークで歌を歌ったクジラ

銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ (ハヤカワ文庫 JA 185) 大原まり子著言葉をしゃべり何でも知っていてしかも、宇宙を飛んで旅するクジラに出会った主人公。 少年から大人になりつつある多感な時に出会った、ファンタジックで才知と優しさあふれる大きな…

第三次世界大戦秘史

第三次世界大戦秘史 (福武文庫) J.G.バラード著 飯田隆昭訳近未来を舞台に著者のイメージを膨らませた世界を描く、14編からなる短編集。うーん。 これがSFなのだろうか? (私はSF初心者) いや。「ソラリス」を読んだときはこうは感じなかった。どの作…

マンスフィールド・パーク

マンスフィールド・パーク(isbn:4873762251) ジェーン・オースティン著 大島一彦訳「マンスフィールドパーク」。マンスフィールドパークに住む裕福なバートラム家に引き取られたファニーの成長と、彼女と彼女をめぐる人々の人間模様を描く。ジェーン・オース…

ふにゅう

ふにゅう(isbn:4104691011) 川端裕人著「ふにゅう」。仕事と育児の両立をはかる現代の子育て風景を、父の視点から描いた5編の短編からなる。 仕事に燃える妻にかわり育児休暇をとり妻にかわって父の乳なる「ふにゅう」を愛娘に与えたいと切望する父、妻の出…

ノーサンガー・アベイ

ノーサンガー・アベイ(isbn:4873762049) キャサリン・モーランドという17歳の女性を主人公に、前半は温泉保養地バースを舞台に、後半は裕福な地主の家ノーサンガー・アベイを舞台に話が展開する。 10人きょうだいの長女のキャサリンが裕福な知人アレン夫妻の…

いつか晴れた日に−分別と多感−

いつか晴れた日に(isbn:4873761743) 19世紀英国の田園を舞台に、対照的な性格の2人の姉妹の恋愛と結婚にいたるまでの過程をコミカルに描く。95年に邦題「いつか晴れた日に」で映画化された。テーマは他のオースティン本と同じく「理想の結婚相手探し」。 大…

エマ

「エマ」。ジェーン・オースティンの最高傑作といわれる作品。 エマ*1 土地の名家にうまれ、美貌と知性にも恵まれ何不自由なく暮らすエマ。 過ちや失敗を乗り越えひとりの女性として成長していく姿を、エマの心理状態の変化を中心に精緻な描写で鮮やかに描く…

説きふせられて

ふとしたことから、18世紀英国女流作家ジェーン・オースティンが書いた6編の長編小説の読破をめざすことになった。 ずっと前に、彼女の最初の長編「自負と偏見」は読んだことはある。 今回読んだのは「説き伏せられて」。ジェーン・オースティン晩年の作品。…

火星の笛吹き

暇にまかせて読んだレイ・ブラッドベリの初期スペースファンタジー短編集 火星の笛吹き*1 〝時の囚人〟とよばれ振り子の中からひとり人類の滅亡を見守るはめに陥った男を描く「振り子」や、遠く離れた地球に残してきた恋人に想いをはせつつ、目の前の欲望に…

最後の事件

先日アマゾンで発注し、届いた本を読み終わったので、読後感を少々。 ドルリイ・レーン最後の事件*1 エラリイ・クイーンのドルリイ・レーンシリーズ4冊目。 ドルリイ・レーンとサム警視、サム警視の娘ペイシャンス・サム登場。Zの悲劇で初登場した女探偵。Z…

X,Y,Zの悲劇

突然探偵ものが読みたくなり、いまさらだけど、エラリイ・クイーンを読んでみた。いずれもハヤカワ文庫。感想を簡単に。 Xの悲劇*1 元俳優で聴力を失って現役を引退したドルリイ・レーン氏が探偵として初登場。 シャーロックホームズシリーズは、ホームズが…