チクチクパック☆その後

6日目*1:かけ衿を衿につける

今日はゆっくり遅くまで寝た。お昼まえから近所を散歩。
帰ってきてからチクチクしたので、お針仕事をしているうちに眠くなってしまった。
ので。
やったのはちょっとだけ。

例によってGURIKOGURIさんのサイトを参考にさせていただいた。
衿の表に、かけ衿の表をかぶせるようにつけるのだということを最初理解できてなかったので、やり直すはめに。まよったら、いまある着物をみろっちゅうことかなと。

*1:1時間。つけ間違い発生。やり直したので、時間かかる。

チクチクパック☆

今はお腹が大きくて*1、着れていないのだが、妊娠前は相棒と着物にはまっていました。
休日お出かけするときには着物で♪という目標をたて、まあ結局は月1ぐらいのペースでは着ていたかな?買ったり、着たり、着付けを教えてもらうのも楽しかった。
着物仲間も出来たし。

そのうち、着物の構造を知りたくなりました。
そのころたまたま立ち寄ったリサイクル着物やさんで「こーいうのは店頭においてても虫がくっちゃうから捨てちゃうんだ。よかったら、直して着てみる?」といってただでウールの着物をもらっちゃいました。喜び勇んで平日も会社から帰ってきて晩御飯の支度をすませたあと、ほどいたりひっぱったりしてチャレンジ。
最終的にはなんとか大きくなりましたが、それまで着物ってただ直線縫いをしているだけだと思っていたのですが、作り直しの過程で、着物もあちこちに微妙な丸みを持たせたり、部位に応じて縫い方を変えていたりと、ひとの体型に合うように作りなおしもしやすいようにと色々工夫された構造物であることを知り、びっくりしました。

そこで今度は着物をいちから縫ってみたいと思ったのです。
購入したのは、こちらのネットショップで糸印つけ済みの単着物用木綿生地(裁断済み)。
商品名は「チクチクパック☆」。
http://www.someorikodama.com/

よぉ〜し縫うぞぉ〜と準備していた最中に妊娠が発覚し、バタバタしてほったらかしになっていたそれに、先日ひさしぶりに手をつけてみました。

縫い方についての説明はメモが同封されていたが、和裁の経験まったくなしの私には、これだけではよくわかりません。
ここはやはり、「チクチクパック☆」で着物を作りその過程をアップされているこちらのサイト(Gurikoguri ぐりこぐりさん)を参考にさせていただきました。
http://www.page.sannet.ne.jp/fujigaki/index.htm
また、和裁の専門用語の読解には、手元にあった和裁本「着物の仕立て方」を参考にした。

だいたんにも、縫い代の始末などどうしようもないところ以外はすべて、ミシンで縫ってしまおうという計画でした(だって仕上がったらどうせ家の中での普段着にして、洗濯機で洗うつもりだもーん)。

以下は今日までの記録です。

初日*2:袖作りと背縫い(縫い代しまつ含む)
2日目*3:繰越あげと脇縫い
3日目*4:身八つ口の下に力布をつけ、いしき当てをつける
4日目*5:おくみを身頃につける
5日目*6:おくみの縫い代のしまつと裾縫い

次は難関の衿です。

*1:なんつったって、今日明日産気づいてもおかしくない状況だ

*2:3時間。わりにさくさくすすんだ

*3:4時間。ただ直線を縫うだけなのだが、縫い代のしまつに手間取ったり、ずれてぬったのでやりなおしたりとかで思った以上に時間がかかった

*4:3時間

*5:3時間。おくみについている糸印の解釈にとまどう

*6:2時間

説きふせられて

ふとしたことから、18世紀英国女流作家ジェーン・オースティンが書いた6編の長編小説の読破をめざすことになった。
ずっと前に、彼女の最初の長編「自負と偏見」は読んだことはある。
今回読んだのは「説き伏せられて」。ジェーン・オースティン晩年の作品。

  • 説き伏せられて*1

愛し合い、お互いを最高のパートナーと認めながらも、周囲の反対に押し切られる形でいったんは別れた男女。数年後ふたたび邂逅し、紆余曲折を経ながら恋愛を成就させる。
偏見、誤解や虚栄に悩み、ときにそれと戦いつつ、固定概念にしばられず、新しい価値観で自らとひとを見つめ生きようとするヒロインの姿。

話の展開パターンがどことなしに「自負と偏見」に似ている。
ヒロインのアンの視点から描かれ、元の恋人と紆余曲折ののち再びよりを戻し、結局ハッピーエンド。
恋愛の成就を到達地点に持ってきている。
俗っぽく、わかりやすい筋だった。
「分別」を持つということを小説の核に持ってきているのも、おもしろい。
また、当時の貴族の生活を女同士の会話中心に描いている点も、興味深かった。

火星の笛吹き

暇にまかせて読んだレイ・ブラッドベリの初期スペースファンタジー短編集

  • 火星の笛吹き*1

〝時の囚人〟とよばれ振り子の中からひとり人類の滅亡を見守るはめに陥った男を描く「振り子」や、遠く離れた地球に残してきた恋人に想いをはせつつ、目の前の欲望に駆られて火星の地面に記された女の足跡を狂ったように追う男ふたりを描いた「火星の足跡」など、幻想と抒情に満ちた20編の短編を収録。

タイトルにもなっている「火星の笛吹き」。
木星人に支配された火星が舞台。
なんとか木星人から故郷を取り戻そうと奮闘するひとりの火星人。蔑みをうけ痛めつけられつつも、策を講じる彼の姿。最後が哀れ。その後の火星の運命やいかに。木星人が去り暗黒の種族に支配されるのか、それとも違う種族の火星人が興隆するのか。はたまた木星人が強行手段にでるか。
悲哀を感じつつも、奇妙な充実感のある終わり方だった。

最後の事件

先日アマゾンで発注し、届いた本を読み終わったので、読後感を少々。

  • ドルリイ・レーン最後の事件*1

エラリイ・クイーンのドルリイ・レーンシリーズ4冊目。
ドルリイ・レーンとサム警視、サム警視の娘ペイシャンス・サム登場。Zの悲劇で初登場した女探偵。Zの悲劇とは異なり、再び第三者の視点から描かれる。ミス・サムのロマンスあり、シェークスピア稀覯本をめぐる文学界を巻き込んだ謎ありの壮大なストーリー。
感想を書かせてもらうと、中盤までの話の展開は退屈させない。しかし、殺人犯の正体・その殺人の動機が、トリックが練られていない印象を受けた。シリーズ最後であるならば、もう少しきれいな幕引きもあってよかったのではないかと、残念。
芸術至上主義にすべての解決策をもっていくのはどうか。(素人置いてきぼり感あり)

X,Y,Zの悲劇

突然探偵ものが読みたくなり、いまさらだけど、エラリイ・クイーンを読んでみた。いずれもハヤカワ文庫。感想を簡単に。

  • Xの悲劇*1

元俳優で聴力を失って現役を引退したドルリイ・レーン氏が探偵として初登場。
シャーロックホームズシリーズは、ホームズが超人的な才能を示し、背丈さえもごまかし(?)老若男女さまざまに変装して出没し、その「変装術」が事件のカギとなったりもする。レーン氏も変装してみせるが、元俳優ならそういうこともできるかとおもったり。それにしても、設定にやや無理があるのは否めないが。
もったいぶったレーン氏と、その態度に不満とときには不信も抱きつつも結局はたよってしまう警視のからみが面白かった。長編なのにあきさせないストーリー展開が楽しめた。
読み始めからなぜ「X」なんだろうかと思っていたら、最後の最後にその謎に対する回答あり。

  • Yの悲劇*2

特に日本で、3シリーズの中で最高傑作だと声が高いとの本作。
犯罪の異常性という点で目をひく。また、個性的な登場人物にも興味をそそられる。
あと。エミリーが元凶だというハッター家の悲劇性については、ヒントだけ与え具体的には描かず、読者の想像にまかせた形になっているのは、1932年という発表年によるのだろうか。今ごろ発表の作品なら微に入り細にわたり、エグイほどに描かれそうなものだ。

  • Zの悲劇*3

X,Yとは異なり、女性(警視の娘)に語らせる形で物語が進行。
犯罪の動機が、事件の大きさに比べ小さく、バランスが悪い気がしてしまった。
ややもどかしいストーリー展開。

3作に共通して思ったが、人物描写がうまい。
登場人物それぞれの性格や心の微妙な動きを、描きすぎもせず、「こういうひともいるな。」と読者の想像できる余地も残しつつ、鮮やかに描きだしている。
もちろん今回は翻訳文を読んでいるので、それは宇野利泰さんという翻訳家の技量によるところも大きいのだろうが。

そういえば、「XYZ」という名のカクテルがあったな。
ラムベースのカクテル。いつものノリなら、ここでそれを作って飲んで読了を寿ぐところだが、いまは妊娠中(臨月)なので、あとしばらくはお預けだな。

ドルリイ・レーンシリーズ4作目の「ドルリイ・レーン最後の事件」はただいま発注中。
届くのが楽しみ。